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2025.09.24

湘南の暮らしと、海の生き物の距離をもっと近くに。「おでかけえのすい」が伝える、命と環境の物語。 | 湘南と。

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湘南の暮らしと、海の生き物の距離をもっと近くに。「おでかけえのすい」が伝える、命と環境の物語。 | 湘南と。

水族館が、私たちの街の近くにやって来た。

 

2025年8月、新江ノ島水族館(以下えのすい)による移動水族館「おでかけえのすい」を、テラスモール

湘南にて開催しました。

 

2022年に初開催してから4度目となる今年のテーマは、「絵本みたいな本物の世界」。テラスモール湘南の

1階北アトリウムに、神奈川県に面する相模湾に生息する魚たちの5つの水槽が展示されました。

 

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絵本をめくったページで本物の魚たちが泳いでいるような水槽の中を、お子さんはもちろん幅広い世代の方が興味深そうに覗き込んでいる姿が見られました。

 

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今回は、そんな展示を企画されたえのすいの北嶋さんにお話を伺い、どのような想いを込められたのかを伺いました。

 

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海の生き物や環境に興味を持つための、きっかけをつくりたい。

 

「湘南の身近な海の魚たちを絵本を模した水槽で展示することで、生き物との距離を縮めてほしいと

思っています」。

 

湘南の海と、この街で暮らす人たちへの想いを、北嶋さんはそう話してくれました。ハマクマノミ、ハリセンボン、ミズクラゲ、ハナミノカサゴ、メガネカラッパ。相模湾で生きる魚たちが泳ぐ絵本の世界を、テラスモール湘南に訪れる人たちはワクワクした表情で見つめていました。

(※ハマクマノミは暖かい海域に多く、相模湾ではとても珍しいですが確認記録のある魚です。)

 

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元々は2022年に、湘南を拠点とする施設同士が連携してこの街の魅力を伝えたいという想いで実現したこの企画。暮らしの延長にある場所で身近な海の生き物に触れる機会を作りたい、そんな想いでえのすいがテラスモール湘南にやって来ました。

 

「ある先輩スタッフが話していたのですが、『人生で水族館を訪れる機会は3回だ』と。それは子どもの時、子どもが生まれた時、孫が生まれた時です。子どもが中心の場所であり、同時にチケットを買って足を運ぶという少しハードルのある場所だと思っています」。

 

だからこそ、多くの方の目に触れる場所で海の生き物のことを伝えらえる「おでかけえのすい」は、水族館にとって大きな意味を持つ活動となっています。

 

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「この場所で実際に動く生き物の姿に触れることが、もっと詳しく調べてみるきっかけとなったり、実際に水族館へ足を運ぶ入り口になったりして欲しいなと思っています」。そのために、テラスモール湘南での展示は興味を持ってもらう切り口として、一種の企画展のような形でテーマを持たせています。

 

昨年は海藻が茂る「藻場」をテーマに、その中で没入感を感じながら遊ぶことで海の生き物を知る体験が用意されました。そして今年は、より生き物を身近に感じてもらうために、子どもたちにとって興味を持ちやすい絵本というテーマになったのです。

 

展示スペースの一画には、テラスモール湘南の4階にある「有隣堂」と協力をして、海の生き物にまつわる絵本が並びます。「水槽を見て興味を持った生き物について図鑑で熱心に調べる、そんな姿もたくさん見られましたね」。

 

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それ以外にも、絵本「くらげのパポちゃん」を作画された中島加名さんの対談企画や、スタンプラリーやワークショップなどが企画され、常にたくさんの人で賑わう大きな反響を集めました。

 

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えのすいとテラスモール湘南が大切にしている、共通のこと

そもそも、“えのすい”という水族館が大切にしていることとは、どんなことでしょうか。

 

「水族館の目の前には、豊かな生態系を持つ相模湾が広がっています。この海に生息する生き物たちや、この海の環境について、リサーチを重ねて正しく伝えられる場所でありたいです」。

 

だからこそ、「おでかけえのすい」でも生き物をただ見せるだけではなく、正しく伝えることを大切にしています。絵本の世界で親しみやすく生き物のことを伝える展示と共に、期間中の平日にはえのすいトリーター※による生き物解説が毎日開催され、その生態や海の環境について伝えていきました。

※生物を飼育(treat)し、お客様をおもてなし(treat)する、新江ノ島水族館(えのすい)の展示飼育スタッフの呼称。

 

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相模湾は人の暮らしと密接な海であるため、その影響を生き物たちも受けているといいます。海からすぐ近くに道路があることで砂浜が狭く痩せて生き物が減ってしまうなど、今すぐに解決することは難しい問題にも直面しています。

 

「それでも私たちは諦めずに、この地に根差す水族館として問題提起をし続けていきます。みんなで一緒に考えて、海への想いを持ちながら楽しく暮らしてくれる人を増やしたいんです」。そのための活動のひとつが、「おでかけえのすい」なのです。

 

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その想いは、テラスモール湘南も同じです。湘南の暮らしに根差した場所として、地域と連携しながらこの街の人や環境のためにできることを考えていきたい。それが、この場所で「おでかけえのすい」を続ける大きな理由です。

 

「テラスモール湘南での「おでかけえのすい」は反響がとても大きくて、楽しめましたと毎回たくさんの声が届いています。えのすい公式キャラクターの“あわたん”も、この場所で知って好きになってくれる人が増えたんです」。それ以外にも、他の商業施設からも来て欲しいと声が掛かるきっかけとなるほど、多方面からの注目を集める催しとなっています。

 

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「湘南の人たちが、普段の暮らしの中で1日に1回だけでもいいから、海の生き物について思いを馳せて欲しい。そんな願いで、これからも「おでかけえのすい」を続けていきます」。

 

地域に根差すこの場所で、海の生き物を通して命や環境の大切さを伝える取り組みは、まだ始まったばかりです。

 

街で暮らす人たちとも、重なりはじめた想いと願い。

 

そんなテラスモール湘南での「おでかけえのすい」では、相模湾に見立てた大きなボードの上にこの場所を訪れた人からのメッセージが集まっていました。それは、想定を超える数が集まったことで、背景にあった海の絵が隠れてしまうほど。

 

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「心温まるメッセージをたくさんいただいて、本当に嬉しく思います。海の生き物の姿を伝える切り口はまだまだあるので、視点を変えてまた来年もこの場所に戻って来たいです」と、北嶋さんは嬉しそうに話します。

 

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今年もテラスモール湘南の夏の風物詩となった「おでかけえのすい」。

 

重なりはじめた、えのすいとテラスモール湘南、そして街で暮らす人たちの想いと願いは、海と寄り添い穏やかに暮らすこの街で、これからも続いていきます。

 

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