テラスアート2022

WHAT IS TERRACE ART ?

“テラスアート”は
湘南の自然、光や風、心地よい時間を
皆さまに改めて感じていただけるような
企画を盛り込んだアートイベントです。
ビーチコーミングをテーマにした
作品展示やインスタレーション、
参加型アートをご用意。
アートに触れるひとときをお過ごしください。

参加アーティスト

Vol.1

4.29 fri. ― 7.19 tue.

vol.1の内容を見る

石﨑朝子 Asako Ishizaki

武蔵野美術大学彫刻学科卒業、東京都在住。都市の景観や日常のリアリティからインスピレーションを得て、彫刻作品として具現化するアーティスト。路上に面して展開されるグラフィティに焦点を当てた作品で知られる。作家曰く「面(めん)」を上空の鳥からの俯瞰した地上の線、はたまた路上の虫からの仰視された上空のアウトラインを捕捉し、鮮やかなブルーの色彩イメージを用いて、都市の他なる視点を再構築する作品を発表している。2021年『第56回神奈川県美術展』平面・立体部門 大賞など、受賞歴多数。

足裏のできごと
Happening in the Sole

都市の景観や日常のリアリティからインスピレーションを得て、彫刻作品として具現化する現代美術作家の石﨑朝子。本作《足裏のできごと》は、辻堂海岸の景観を出発点とした現代アート作品です。作家が辻堂海岸を歩く中で出会った、人々が踏み歩いた砂浜の凹凸や、砂の小さな起伏が生む影の揺らぎ、打ち上げられた流木をイメージし制作されています。連続した作品群は、砂浜で目線を足元に落としたのちに、水平線の光景を遠くに望むかのように、作品に対する目線が徐々に高くなるように設計されています。

アーティストコメント

辻堂海岸のビーチに降り立つと、流木などの漂流物や、足跡や海風によってできた凹凸など、様々な痕跡が足元に広がっていました。砂の感触を足の裏でたしかめるようにして、ビーチに足を踏み入れると、砂浜の起伏によって自分や漂流物の影が揺らいでいるように見えます。遠くの海が平面的に見える一方で、ビーチに目を落とすと立体感をもったさまざまな表情が見えてきます。足元からはるか先の水平線に視線を移すようにして、近くの景色と遠くの景色のグラデーションを意識して制作した作品群です。

Wavy Line

ビーチ、波、水平線の3つの構成からなる作品群のうち、本作では、波をモチーフにしています。力強い波線の土台には、弧を描いた台座があり、作品の裏側にはグラフィティと呼ばれる落書きのようなペイントが施されています。波際を陸と海の間の出来事と捉えることで、作家が辻堂の街を観察して取り入れたスケートボードといった陸のイメージも同時に取り入れています。

アーティストコメント

湘南の海岸を散策していると、スケートボードパークがありました。陸で滑るスケーターがいて、背景の海では波に乗るサーファーがいるのです。湘南という土地に様々な形でアクションする人々はエネルギーに溢れていてとても魅力的です。彼らのムーブを融合させるようにして、スケートボードパークにある“アール”(湾曲の形状のセクション)とサーファーが乗りこなす波をモチーフに制作しました。作品の中のあらゆるWavy line(波線)に着目してください。

作品①(大):海のつなぎ目

作品②(小):青がゆれる

曲線と直線の交わりは、どのように見えるでしょうか?
水平線をテーマにした本作では、曲線の形状はサーフボードをイメージしています。サーフボードの曲線を背景に、水平線のような直線が一層際立っています。また、手前の作品では、実際の海を見るように、遠くから見ると直線に見えても、近くで見ると水面のようにゆらぎを生んでいます。東モールに突如出現した、層となり重なり合う海の近景/遠景のイメージをじっくりと味わってみてください。

アーティストコメント

「海を視た」という感触は、まっすぐに広がる水平線を目に入れたその瞬間に自分のなかに染み入るような気がします。直線が占める風景というものは海岸ならではの経験です。サーフィンに興じる人々の姿を視界の隅に入れつつ、他に何も重なるものがない“海の青”と“空の青”が接するはるか遠くの景色を、目に焼き付けるようにして制作しました。

嘉春佳 Haruka Yoshi

茨城県生まれ。筑波大学芸術専門学群総合造形領域卒業。2021年東京藝術大学先端芸術表現科修了。自分や他者の記憶、日常として捉えられる時間の多くが、記録には残らず消えていくものであることを前提に、古着を用いた制作を通して、その時間を形にすることを考えている。縫うことや編むことは、かつて、衣服の修繕や、必要な道具をこしらえるための術であった。これらの手仕事は、ひとが生活する中で、ものや暮らしを継続させること、残していくことと深く結びついていたのだと思う。このことに着目し、古着を収集し、手仕事によって再構成する方法での制作を行っている。

Drifted Things from the Little Stories

本作は、たくさんの人から古着とその古着にまつわるお話を募集し、制作されました。古着という素材の活用から、SDGsといった環境に配慮した活用方法を模索し、サスティナブルな作品制作を指向しています。また、海の漂着物からも着想を得て構成されており、海が見つめてきた大きな時間軸と私たちが過ごしてきた一時を交わらせ、一つのアート作品として再構成しています。作品を通じて、出会うことのない誰かの物語に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

アーティストコメント

夕方に辻堂海岸を歩いて海を眺めていたとき、ちょうどサーフィンをしている人の姿がありました。夕日の都合で、その姿はとても小さな黒いシルエットとして波の上に浮かんで見えました。ふと、「海」の視点になってみたら、私たちが過ごす時間はとても短く、人々が過ごしてきたどれだけ長い時間を、海は眺めてきたのだろうと思いました。また、海辺には角が取れた貝殻や漂着物が落ちていて、丸みを帯びるまで長い時間をかけて運ばれてきたのだと思いました。海を見ると、そこには多層の時間や記憶が眠っているのだと感じます。作品を通じて誰かの過ごした時間や見た景色に思いをはせる体験になればうれしいです。

Vol.2

7.20 wed. ― 9.30 fri.

柴田まお Mao Shibata

神奈川県出身。コミュニケーションを主題とした彫刻・インスタレーション作品を制作。作品の鑑賞者に対するさまざまな時間的・空間的制限をモチーフとして利用しながら作品化する。我々の取り巻く環境やコミュニケーションの在り方に関心を寄せ、立体と映像を駆使し、その場の空間にあわせた作品を制作している。鑑賞者との距離や時間を縮め、場所を共有することの意味やリアリティを問い直す。

Overlap Panels

現代美術家の柴田まおは、わたしたちの取り巻く環境の変化やコミュニケーションの在り方から、インスタレーション作品を制作しています。
本作《Overlap Panels》は、湘南・辻堂海岸からインスピレーションを受けた現代アート作品です。わたしたちが肌で感じることのできる、海辺の光や潮風といった自然の様子や、流木や漂流物などの海の環境をモチーフとし、わたしたちが共に暮らしている海の環境をあらためて見直すきっかけをくれます。

アーティストコメント

辻堂海岸のビーチには、無限に広がる海と、形を変える砂浜。流れ着いた流木植物は無造作に転がっていた。なびく砂浜や、重ねられた波に反射する風景は、今、我々が経験している環境を映しているかのように、揺れ動き、あやふやな輪郭をしていた。この作品では、そういった実在する風景や環境と、揺れ動く虚像を、行き来する行為に着目する。

Bent Panels

本作《Bent Panels》は、テラスモール湘南のテラスから見渡した空の広さに注目し、制作されました。辻堂の空のイメージをつなぎあわせ、雲のようにつかみどころがない私たちと自然のあり方を、作家の世界観を用いて表しています。開放的な夏の日を想起させる一方で、近年の環境に対する意識の高まりや、気候変動といった問題を思い起こさせる本作。作品を通じて、わたしたちと自然の関係、はたまた、同じ空の下、どこかの遠い風景に思いを巡らせてみるのもいいかもしれません。

アーティストコメント

湘南に降り立った時、初めに感じたのは大きな空だった。海の上を泳ぐ雲たちは、重なり合いながら層を作り、永遠に広がる青い空に奥行きを持たせていた。その小さな水の集まりは、生き物のように横へ横へと広がっている。それは確かに、実在するはずなのに、我々は手に取ることはできない。遠くに広がり、動き続ける曲線をなぞる。

Trace Panels

本作《Trace Panels》は、作家が湘南・辻堂海岸のリサーチをもとに制作された作品です。海からの風を受け、曲がったかたちで生育する海辺の木々たちに着目し、自然のもつ圧倒的な力をユニークな世界観で表現しています。長い時間をかけて自然が生み出す様々な現象や生態系。本作は、みすごされてしまう普段の生活の中で、当たり前に存在する自然のサイクルに、新たなまなざしを向けています。

アーティストコメント

浜辺に生える木々たち。変形した生き物たちから、大きな自然環境の強さを感じる。それらは海からの風を受け、頭は海とは反対方向へ曲がっていた。それは長い時間と自然が作り出し、上へ上と伸びる枝や葉の向きは、面白い曲線を描いている。

金子未弥 Miya Kaneko

神奈川県生まれ。2017年多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。「人の記憶も都市を構成する要素であるならば」という考えのもと、人々の記憶にもとづいて実在しない都市を思い描く。インスタレーションや、ワークショップを行って参加者の記憶や経験を辿りながら見えない都市の姿を顕在化させるなど、多様な手法で都市を追求した作品を発表している。2022年「KYOTO STEAM 2022国際アートコンペティション」準グランプリ受賞。

初めての水平線を並べたら、それはうたかたの日々。
Lining up the Horizon for the First Time, It's the Froth on the Daydream.

①初めて見た水平線を思い出して、絵葉書に描いてください。
②その絵葉書を、まだ見ぬ誰かにいつか渡してください。

本作は、テラスモール湘南にちなんだ作品として、「インフォメーションセンター」や湘南・辻堂海岸のリサーチをもとに制作された参加型の現代アート作品です。 ショッピングモールや観光地の「インフォメーションセンター」といえば、その場所について教えてくれる入り口。この作品の「インフォメーションセンター」は、自分や誰かの見えない記憶の入り口です。 みなさんが、初めて見た水平線はどのようなものだったのでしょうか。湘南・辻堂海岸には美しい水平線が広がっています。 旅先で思い出を絵葉書に書き留めるように、記憶の海の中を旅しながら、わたしたちが今日暮らしている街や海の風景と、遠い記憶に、想いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

アーティストコメント

初めて水平線を見た日のことを思い出してください。音や、風の匂い、煌めき、その風景をあなたのやり方で絵葉書に描いてください。 では、その時をずっと忘れないようにするために、まだ会ったことのない誰かに、その絵葉書をそっと渡してみてください。

本作は、「インフォメーションセンター」を出発点とし、湘南・辻堂海岸のリサーチをもとに制作された作品です。 インフォメーションセンターは、訪れた場所を知るための、さまざまな情報を与えてくれる場所。一方で、インフォメーションセンターで知ることのできない情報もたくさんあります。たとえば迷子を助けた人の優しさ。はじめてのデートの不安や期待。思い出をつくる人々のそれぞれの物語。 私たちが知る由もない情報から、私たちはなにを考えることができるのでしょうか。知ることのできない物語に思いを巡らせる行為は、海の持つ時間軸を再考することにも似ています。多くの人が訪れるこの場所で、今までとはちがった視点で、海とともに暮らす人々の営みを考えるきっかけを生み出しています。

アーティストコメント

「初めて海を見たその瞬間を、誰もが人生で一度だけ経験している」と仮定して、もし全ての人のその瞬間を、時系列に並べることができるとしたら、と想像してみましょう。途方もないのは距離なのでしょうか時間なのでしょうか。もしくはその両方なのかもしれません。果てしなく感じると同時に、どこかせつなくもなる永遠を見つける方法について考えてみました。

Vol.3

10.1 sat. ― 12.25 sun.

赤松加奈 Kana Akamatsu

1990年奈良県生まれ。2015年京都造形芸術大学大学院芸術表現専攻修了。2015年初個展開催以来、関西を中心に活動し、様々な公募展にも精力的に出品。群馬青年ビエンナーレ2019大賞受賞。鮮やかな色の様々なモチーフをひとつの画面の中で再構成し、呼応し合う絵画作品を展開している。農業風景にあるさまざまな生と死、自然の流れや、環境と共生しながら生きる人々を起点に、日常的な風景を注意深く観察した世界観を生み出す。

李 知恩 Jeunne Lee

韓国、ソウル生まれ。ソウル国民大学美術学部彫刻科卒業、東京藝術大学美術研究科グローバルアートプラクティス専攻修士課程修了。独自の視点で、人の身体や他者との関わりをテーマに作品を制作している。自身を取り巻く社会問題を作品制作の出発点とし、ダイナミックな彫刻を主な表現媒体としながら、ドローイング、ビデオ、インスタレーションなど多岐に活動している。

参加型アート

アーティスト・金子未弥とつくる参加型アート
街や海の風景と、遠い記憶に、想いを巡らせる。
初めて水平線を見た日のことを思い出し絵葉書に描いてください。そして、まだ会ったことのない誰かに、その絵葉書をそっと渡してみてください。

●開催期間:
2022年7月20日(水)〜9月30日(金)

●場所:
1F東モール

※参加費無料 ※予約不要

テラスアート湘南アワード2022.4.29 fri. ― 6.13 mon. 詳しくはこちら