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2024.02.16
「湘南と。」Vol.2 海のように穏やかで、遊び心のある日々を。逗子で珈琲店と編集社を営むアンドサタデーの、暮らしと家族の自然体な在り方

湘南の片隅にある、逗子という穏やかな街のこと。

 

はじめまして。湘南エリアの片隅にある逗子市で珈琲店と編集社を営んでおります、andsaturdayの庄司と申します。夫婦と1歳半の娘の3人で、慌ただしくもゆるやかな毎日を、この海街で過ごしています。


そんな私たちですが、今回から新しくはじまる、テラスモール湘南ウェブメディアでの連載「湘南と。」の、執筆や編集を担当させていただくことになりました。


長い間、東京を仕事と生活の中心に据えていた私たちが、暮らす場所として逗子を選んだのが今から8年前のこと。誰一人、知り合いもいない中での移住でした。それでも今では、6年間続けてきた「土曜日だけの珈琲店」を訪ねてくれる方とのつながりが増えて、この街でずっと生きていきたいなと思えるほどになりました。

 

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私たちが暮らしている逗子という街は、湘南の中でも駅から海までの距離が近くてコンパクト。街全体に海風がゆっくりと吹き込んで、柔らかな時間が流れています。


ハーフマイルビーチと呼ばれる逗子海岸は高い波が立たずに穏やかで、市民の憩いの場として暮らしに寄り添ってくれています。朝の澄み切った青い空気の中で散歩をしても、貝殻が混ざる砂浜に座ってオレンジの夕日を眺めても、いつでも心を優しくしてくれる場所です。


また、日常を個性豊かな商店が彩り、非日常を逗子海岸映画祭などのイベントが盛り上げてくれる。そんな暮らしの楽しみ方の幅が広いことも、この街で暮らし続けたいと思う理由の一つです。こんな風に好きなところを探し出すと、キリがないですね。


この街を選んで、7年の月日が経ちました。少し立ち止まって、大好きな逗子で私たちが暮らす理由を、改めて考えてみました。

 

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この街にある心地よい余白。それが私たちがここで暮らす理由。

 

「逗子は“土曜日”のような街だから、居心地が良いのかもね」


そんな会話を、時々夫婦でしています。元々東京で会社員として働いていた私たちは、土曜日に街の珈琲店で過ごす休みの時間を大切にしていました。肩の力を抜いて休息したり、会話や本など好きなことに向き合ったり。自然体でリラックスできて、そして次の日も日曜日という心のゆとりを持てる、その時間が一週間の中で大好きでした。


そんな過ごし方ができる珈琲店を自分たちでも持ちたいという想いが募り、でも実際問題として人もお店もひしめく東京の街には、私たちが表現をする「余白」のようなものが見つけられませんでした。そんな時に出合った街が、逗子です。

 

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街の商店も暮らす人も、それぞれの間にちょうど良い余白を持っていて、各々が自分らしさを大切にしながら、程よい距離感で街の暮らしが営まれているように感じました。街自体の肩の力が抜けているような印象を受け、この場所でお店を持つイメージもできて、誰と比べるでもなく自分たちのペースで暮らせるような気がしたんです。まさに、土曜日の時間を過ごす自分たちの気持ちと、この街の空気感が重なりました。


そうして、平日は編集者として働きながら、土曜日には珈琲店を街に開くという形で逗子の暮らしを積み重ねて、今に至ります。土曜日にはアンドサタデーでコーヒーを飲むという暮らしのルーティンを持ってくれる人も増えて、私たちも皆さんに会える土曜日を楽しみに一週間を過ごしてきました。


それ以外にも、この街の持つ余白が何かをはじめたい気持ちを後押ししてくれて、「逗子葉山 海街珈琲祭」というコーヒーフェスティバルも主宰しています。街のコーヒーカルチャーを盛り上げる活動を、これからも続けていきたいと思います。

 

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肩の力が抜けている人や、自分の好きなことに向き合っている人が多くて、思わず何か新しいことをはじめたくなるこの街には、土曜日のような余白がある。それこそが私たちが、この街で暮らす理由です。

 

 

毎日の中の土曜日を大切にする、逗子での暮らしのスタイル

 

物理的な曜日としての土曜日という意味を超えて、いつしかその言葉は私たちの中で「海のように穏やかで、遊び心がある時間」を指すようになっていました。そんな時間を日々の中につくって、大切にしていきたい。


その想いは、一昨年の夏に娘が生まれたことで、より強いものへとなりました。

 

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1歳半になる娘は、逗子という街、そしてここで暮らす人の懐の深さと愛に見守られて、すくすくと育っています。毎週土曜日にはお店のカウンターにちょこんと座って、お客さんに遊んでいただいたり、おやつを食べたり、お昼寝したり。3人一緒にお店で皆さんを迎える時間は、私たちらしい人生として、とても大切にしている時間です。


また、家族で海で過ごす時間はまさに土曜日のような時間で、のんびりと海を眺めたり、走り回ったり、心穏やかに軽やかでいられるんです。自然豊かな環境の中で、近くの公園に行く感覚で海まですぐに遊びに行けることもとても贅沢に思います。


どんなに仕事が忙しくても、この土曜日のような時間が日々にあることで、自分たち家族を取り戻せるような感覚があります。今の私たちにとっては、無くてはならない時間となりました。

 

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「毎日に、土曜日を。」

 

東京ではどうしても難しかったそんな暮らしのスタイルが、この街では家族で実現できるような気がしています。そんな未来に向けて、「海のように穏やかで、遊び心がある時間」をもっと日々の中につくるために、念願叶って今年の3月にアンドサタデーの新しいお店を逗子で持つことになりました。


そこは、コーヒーとケーキを楽しみながら、本やレコードなど手触り感のあるものを大切にする、一週間の中でいつでも土曜日のような時間に触れられるお店。穏やかなだけではなく胸がはずむような遊び心もある場所で、新しい出合いがあるPOP-UPイベントも毎月開催していきます。


私たち家族の大切にしていることをお店で表現しながら、暮らしのスタイルを常にアップデートしていく。それが、これから10年続けたい、自分たちらしい人生の形なのかなと今は思っています。


私たちが大好きな逗子、そして湘南の地で暮らせる日々の幸せを噛み締めながら。この場所から与えられるだけではなく、お店づくりを通して街の暮らしを豊かにすることでお返しをしていきたい。


そんな想いで、これからも海街の時間を、土曜日のように生きていきたいと思います。

 

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