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2023.04.06
【SHONAN TIME本誌アーカイブ】湘南の魅力ってなんだろう?vol.1 大橋マキさん
雑誌『SHONAN TIME』と「くらしテラス」がコラボレートし、毎回ゲストを迎え、「湘南の魅力ってなんだろう?」をテーマに公開インタビューを開催しています。2月12日に行った第1回のゲストは、元アナウンサーの大橋マキさん。葉山在住でアロマセラピストとして、アロマスペースデザイナーとして、また一般社団法人「はっぷ」代表として精力的に活動する大橋さんに湘南の魅力を聞きました。
緑と海、魅力的な人たちが
暮らすコンパクトな町……
ここには求めるものが全部あります
くらしテラスpresents
『SHONAN TIME』公開インタビュー
湘南の魅力って何だろう?
第1回ゲスト:大橋マキさん
アナウンサーの仕事も楽しかったけど
より人とつながっている実感が欲しかった
実は2年という短い期間だった局アナウンサー時代。魅力的な方々との素晴らしい出会いがたくさんあったと語る一方で、もっとひとつひとつの出会いや経験をじっくり味わいたかったと振り返る。スタジオからスタジオへ移動の日々で、睡眠時間は3時間ほど。当時は仕事の楽しみ方もリズムもわからないまま走り続けた。でも、あの頃があったからこそ、今の暮らしのよさや、ありがたみを感じられると大橋さんは語る。
アムステルダムの時間の流れと
水辺の暮らしに魅せられ「葉山」に
退社後は、イギリスで植物療法を学び、帰国後に結婚。都内に新居を構え、病院でアロマセラピストとして働きながらも、雑誌の編集部に所属し、海外に行って取材をして原稿を書き、ラジオの生放送も担当していた。仕事中はタクシーで移動して、合間にジムにも通う。多忙を極めていたが、どの仕事も全力で楽しかった。しかし、身体が先に悲鳴を上げ、突発性難聴を発症する。思えば、夕焼けなんてまったく見ない生活をしていた。
長女を出産し、夫の仕事の関係でオランダのアムステルダムに移住。都会ではあるものの、ゆったりとした時間のリズムがある不思議な町だった。町中に運河があり、政治家も大きな会社の社長さんも、みんな自転車で運河沿いの道を走って通勤通学する。ダッチバイクに子どもを乗せて、池や緑がいっぱいの公園を走った。そのときの自転車生活のスピード感と、住環境がもたらすフラットな人間関係が忘れられず「今までの生活にはもう戻れない」と感じたという。そしてここでは、水辺の暮らしの気持ちよさにも気付くこととなる。水辺の暮らしには、浄化作用があった。次に住むなら、水辺があって空が広い場所に住みたいと思うようになり、葉山に住むことを決めた。
葉山で暮らし始めて数年後、夫の仕事で今度はイタリアのミラノへ。アモーレの国でひたすら愛を学び、帰ったのはまた葉山だった。いくつかの国での暮らしや時間の流れを経験し、それぞれの魅力を感じて帰るが、それらの魅力がここには「全部ある」と感じるという。「今まで自分が見てきたなかで一番いいところだと思う」と大橋さんは話す。
同じ自然を共有する家族のよう
「湘南の魅力はやっぱり人!」
今でこそ多様性といわれるが、ここには昔から当然のようにそれがある。みんなでビーチを共有し、それぞれが好きなことを好きなようにやっている。そして、楽しそうに過ごしている誰かを見ることが、また自分の幸せになる。懐の大きい自然がそんな気持ちにさせてくれるのだ。
彼女が住む葉山町は東西6キロ×南北4キロの小さな町。そこに海も山も町もあり、美味しい食がある。このコンパクト感がいい。みんな共通で愛せるものがあるから、最初から話が盛り上がる。共感って、愛の始まりだなって。「湘南」といっても、それぞれのエリア自慢があるところはイタリアにも似ていると大橋さんはいう。自分の住んでいる地域が一番好きだと言いながらも、相手へのリスペクト忘れない。
現在、葉山に新居を建築中。「ようやく理想の土地に出会えて、もうすぐ完成。いよいよ大好きな庭造りが始まるところです」と、嬉しそうに話す大橋さん。なるべく里山にある木々を選び、幼木からじっくりと雑木林のような庭にまで育っていくのを見届けたいと夢を語る。自身が代表を務める「はっぷ」の活動も通して、「歳を重ねていきたくなる町づくりをしていきたい」と目を輝かせていた。
イギリス留学中にホームステイをしていたホスト宅の庭にて。通学中に同じ時間に同じ道でおじいさんとすれ違い、時刻を知るような時計いらずの穏やかな日々。東京生活とは一変した生活を味わう
テレビ朝日の番組「素敵な宇宙船地球号」の取材で、エクアドルのバナナ園を訪問。この頃は、フリーのアナウンサー業、雑誌の編集業、アロマセラピスト業を両立していた。出会いや人との繋がりを噛み締めながら楽しく働いていた一方で、多忙に身体が悲鳴を上げはじめる
畑、庭仕事、季節の手仕事を地元のお年寄りから学ぶ。お年寄りの方々が自分の体験や知識を生き生きと語り継ぐ姿を見るのも幸せな光景。「はっぷ」が目指す、幸せなエイジングができる町づくりを実行中
<プロフィール>
大橋 マキ
アロマセラピスト/アロマスペースデザイナー/一般社団法人「はっぷ」代表
放送局を退職後、イギリスにて植物療法を学ぶ。帰国後、都内の病院にてアロマセラピストとして6年間にわたって活動を行う。自身が代表を務める「はっぷ」では、園芸療法を用いた認知症ケアや農福連携にも取り組み、活動の中で地域のお年寄りから学んだ和ハーブや手仕事などを綴った「葉山 和ハーブ手帖」を出版。自ら編集、ライティングも手掛けた。